私自身、約10年前に娘を産んだときから、全員を完母で育てました。
母乳の分泌が良かったこともあり、周りからも「すごいね」「母乳だけなんて偉いね」と言われることが多かったです。
わたしの「完母」ライフ、その実態は。
今だから言える、私は、母乳神話にガチガチに縛られていた…なんて思うんです。

ちょっとでもミルクに頼ったら「負け」みたいな気持ちがあったような…
そもそも最初から選択肢は与えられなかった
第一子のときから母乳推しの病院でした。
夜中、3時間おきの搾乳が眠くて辛くて「ミルクください」って言いに行ったことがあるんです。
その時の病棟スタッフの顔、「ミルクですか?母乳、あげないんですか?」こ、こわ…
「は、はい、ちょっと眠くて…一回だけミルクあげてもいいですか(なぜか許しを乞う笑)」
すでにそこでミルク=逃げ、母乳こそ母の努めという信念が植え付けられました。
まぁ、おかげさまで分泌が良くなり、母乳育児は軌道に乗りましたが
1歳まで1日10回以上欲しがる子だったので四六時中乳をさらけ出している感じ。
双子のときは牛だった
双子のときは特に、産直後から勧められた搾乳機により、私は母乳産生マシーンと化しました。
搾る→湧いてくる→また搾る→じゃぶじゃぶ出てくる、の無限ループ。
それでもって双子の授乳量を満たすことが出来ていたのですから、最初からミルクなんて選択肢を考えたことはありませんでした。

これだけ母乳を作れる私はすごいんだ!! このまま突っ走るぞー!!
でもやっぱり、今思えば疲労困憊の日々でした。正直あまり記憶がありません(笑)
水分吸い取られて日々カラッカラです。
疲労と脱水で、膀胱炎にもなりやすかったし乳腺炎も何度もやりました。
夜中は特に辛い。双子は交互に起きて泣く。寝ぼけ眼で乳を差し出す。
ミルク育児なら夫も手伝ってくれたでしょうが、手伝うすべがないのではなから戦力外。
俺は手伝えることがないので…と起きる気もありませんし、隣でいびきをかいて寝ています。
それを見て、殺意にも似た感情を抱くわけです(笑)

自分だけイビキかいて寝てんじゃねーよ…
いやいや、自分が頑張るって決めたんだから、夫を責めることは出来ないのですが。
おっぱいポロリしながら座ったまま朝を迎えたときのあの虚しさと言ったら…
誰が悪いとか、何が正解だとかいうつもりはありませんが…
何かに固執すると、それによって弊害も起こり得るということです。
私の場合は、自分を犠牲にし休息も二の次で、母乳をあげることが母の努めと、強く思い込んでいたのが、無意識に自分を窮地に追いやっていたかもしれません。
ミルク栄養って結構いいことだらけ
栄養バランスが安定している
近年のミルクは、母乳にかなり近づくよう改良されていて、赤ちゃんに必要な栄養素がきちんと含まれています。
最近では免疫成分に近い物質やオリゴ糖を配合した商品もあり日々進化中のようです。
※アレルギー、疾患がある場合は医師に相談しましょう。
季節やママの体調に左右されず、安定して栄養を届けられるのが大きな安心ポイント!
誰でも授乳できる
ママ以外の家族(パパ、じーじやばーば、きょうだい)も授乳できるので、みんなが育児参加!
ママが5分でも10分でも「昼寝してきていいよ」なんて言われたら、涙が出るほど嬉しいですよね。

育児はチーム戦!!
ママの「私だけが大変…」という孤独感をなくすことにもつながります。
外出や預けるとき、防災に便利
液体ミルクやミルクキットを使えば、お出かけ先や保育施設に預けるときもスムーズ。
育児の自由度がぐんと広がります。パパに預けてママ友とお茶することだって可能。
普段はなかなか考えたりしませんが、万が一の災害時にも実は粉ミルクは有用です。
疲労やストレス、水不足でママが安定した母乳分泌量を維持できるとも限りません。
哺乳瓶を使えないことの弊害もあるということを、頭の片隅に置いておいたほうがいいかもしれません。

哺乳瓶を全く受け付けてくれなかった我が子だったらと思うと…
脱線しますが、水が使えない災害時にはこんなものも便利です。
量の管理がしやすい

今日はちょっと飲みが少ないな〜
なんて、どれくらい飲んだかをミルクの量で確認できるので、体調の変化にも気づきやすくなります。
ママ自身の心と身体を大切にできる
授乳にまつわるストレス(母乳の出具合、痛み、時間的な拘束、乳腺炎、脱水…)から
少しでも開放されることでママ自身が笑顔でいられる時間が増えます。
大切なのは「母乳かミルクか」ではない
ママの”心の余裕”に焦点を当てたっていいじゃない
授乳にプレッシャーを感じて泣いてしまうママ、うまく飲めないことにイライラしてしまうママ…
そんな姿に、ママ自身が「こんな自分はダメだ…」と落ち込んでしまうことが多いこと多いこと。
赤ちゃんが生まれるとついつい、赤ちゃんのことを最優先に考えられがちですが
出産という大役を果たしたママが時には優先されたっていいと思うんですよね。
ママが心身ともに健康であることが赤ちゃんが健康に育っていく原動力。

ミルク育児がママの余裕を生み出すなら、むしろそれは立派な作戦!
母乳かミルクかではなく、「赤ちゃんが満たされているか」「ママの心が元気か」
が何より大切だというわけです。
どちらも正解、ママが選んだことならそれが大正解
赤ちゃんが安心して母乳やミルクを飲み、お腹が満たされ、気持ちよく眠れること―――
それが整うなら、手段(母乳かミルクか)はさほど重要ではないようです。
ミルク育児のメリットも踏まえて、それでも「母乳育児を頑張りたい!」と思うママがいるなら
それが正解◎、と言えます。
さらには混合栄養でも、完全ミルクでも、なんだってママがこれがいいと思ったことなら
それが応援、後押しされるべきです。

今の時代、選択肢はいっぱいある!
これじゃなきゃいけないという概念は取っ払っちゃいましょう
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